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新年、あけましておめでとうございます
今年はひとまず、ソードワールドの記事の修正と補完を優先する方向で
先日行ったギア・アンティークと、再開予定の2.0に関しても早めに書きたいところ
ナイトウィザードには間違った全力を注ぎ過ぎている気がするので、
当分の間は優先度は低くなるかと思われます


PBWの『無限のファンタジア』が無事にめでたく終了を迎えることとなり、
それに代わる新作タイトル『TW3:エンドブレイカー!』が満を持して発表された
個人的には『シナリオコンテンツにおける大きな進化』という文面に興味を惹かれる
その進化とは、公式サイトの紹介文からの引用になるが……

シナリオクリアの為に皆で立案した作戦を一切邪魔すること無く、
自分の文章で「キャラクター性を表現した大胆な行動」や「死を恐れぬ英雄的な行動」を
表現できるようになる
 ……と、いうものらしい

直接データには関わらない、フレーバー的な演出面の強化ということなのか
これまでのシナリオにおいては、相談での作戦立案に関する揉め事もあったが、
プレイング内容に端を発する問題も色々あったと聞いた覚えがある
TW3のシステムは、それを解決する特効薬となりうるのだろうか?
少なくとも私は手一杯で参加など出来ないが、今後の動きを期待して見たいと思う
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グラン・ロゼッタ
グリム・ガウディ
ビーナス・ゴスペル

ロッティング・ハンプティ
ロッティング・ダンプティ
フラービィ・ハンドレット
シーサーペント・インパルス
ミレニアム・サンドウォーム

奈落の水崩窟
大海竜の喉元
水底を廻る円環
九頭竜段泉(昇竜段泉)
螺旋海域
帰らずの鉄砂海
月蝕海(ソルイーター:巨大海月)
浄罪の大御滝
風啼の峡谷
北限凍土
樹氷海
天外の七浮石
万書の箱舟
悠久の大旋翼

弥終の剣、壊劫の鏡、究竟の勾玉(天皇家を意識したもの?)
倚天の魔王:八岐大蛇
逢魔術式(朱纏童子、橋姫、鞍馬天狗、土蜘蛛、夜鵺、金毛九尾)
四天流:火遁術、水遁術、風遁術、土遁術、鬼門遁甲術、虚門遁甲術
七歩蛇……スピリット・バタフライ

各家に伝わる術式群の中には妖怪や怪異の名を冠した術式があるが、
特に秘伝に属する奧伝術式において最高位の階梯に位置する魔術は別格として、
逢魔術式と称されており、世に名高い化生の名を与えられている
その術式は朝廷の治世を脅かした怪物の姿を模って強大な破壊の力をもたらすという

焔家は継承の証として受け継がれてきた剣型の宝具を所有している
それは柄の下にも一筋の刃を有する巨大な『七支刀』であり、
猛り狂う炎のごとき八岐の波打つ刃は見る者に畏怖さえ呼び起こすような異形の剣
燃え盛る焔を象徴する古の宝刀――その銘を『八人童子』という

黄泉竈食(黄泉戸喫):ヨモツヘグイ/プレデター → 銷魂状態
八十禍津日神
拮抗→魂鎮

鬼砕、罪穿、禍祓、誉守、咎潰、忌崩、裏鎮



※色々と補足事項

◎逢魔術式に冠した妖怪に関して
鞍馬天狗は、京八流剣術の祖である「鬼一法眼」と同一視されることが多い
「鬼一法眼」は牛若丸に剣術を伝授した人物として有名な伝説上の人物であり、
武芸者以外に陰陽師や兵法家の肩書きも有する文武両道の達人
鞍馬天狗はもっとも有名な大天狗として、後の天狗のイメージの原型となっている

他に大天狗としてよく知られている人物には、崇徳天皇が挙げられる
崇徳天皇は保元の乱において敗れた後、流刑の末に非業の憤死を遂げ、
その怨念から死後に大天狗となって朝廷を祟ったとされており、
強大な怨霊として、名だたる日本三大悪妖怪の一角に数えられている
怨霊と化した天皇は意外と多く、天狗として描かれるものも少なくないようだ

本来、天狗とは中国の彗星のことであり、仏教とは関係ない言葉だったが、
日本に伝わった後には、密教や山岳信仰、様々な俗信と入り混じったことで、
山伏の蔑称として用いられたり、山神として信仰対象になったりもした
初期には姿形も曖昧で、様々な容貌をした天狗が各地に伝承されており、
現在のイメージは後世になってから固められたものに過ぎない
よって一概に分類することは出来ないが、天狗の種類を大雑把に区分して、
それらを階級として比較すると『木の葉天狗<烏天狗<大天狗』という感じになる

今日、一般的に天狗は慢心に堕ちた山伏の成れの果てとして有名であり、
魔道へと誘う魔物であることから、仏教においては『魔縁』とも呼ばれている
傲慢な修験者は死後、仏教の知識があるため人間道には戻ることが出来ず、
同じ理由から人間道と天界道以外の世界にも行くことが出来ないが、
かといって無道心なので天界道にも行けず、結果として六道輪廻から外れてしまい、
救済不能の外道、即ち『天狗道』という魔界に堕ちた存在と仏教的には解釈される
天狗が鳥の如き姿形をしている理由としては、仏道の修行をする者にとって、
鳥の声や羽ばたきがその集中の妨げとなったことが挙げられる

天狗について書き過ぎたので、別の話に移ろう

上記の崇徳天皇の項で前述した『日本三大悪妖怪』とは、
日本に伝えられる数多の妖怪の中でも、特に強大とされる三体を指す呼称
京都を荒らした鬼の頭領であり八岐大蛇の落とし子ともされる「酒呑童子」
「玉藻の前」として上皇に取り入って権勢を振るったという「白面金毛九尾の狐」
この二体に大天狗である「崇徳天皇」を加えて「日本三大悪妖怪」としている

逢魔術式に用いた名称の『朱纏童子』は、筆者の当て字に過ぎない
『酒呑』は様々な字面で書き表わされるが、上記のものは存在しないはずだ
いかにも焔を纏っていそうな雰囲気を感じさせるため、そのようにしただけ
それと、ナイトウィザードにおいては『落とし子』には特殊な意味があるため、
上記も本来とは違った意味を思わせるが、別にこれはそのような意味ではない
……まあ、そういう意味でも面白いことにはなるかも分からないけれども

金毛九尾は狐であり、狐は人を化かすことで有名なので虚属性のイメージがある
よって、逢魔術式においてこの名を冠するべきは虚属性の魔術だろう
殺生石と化し、250年に渡って毒を吹き散らしたのは全く虚属性らしくないが

大天狗は崇徳天皇を用いるわけにもいかんので、ひとまず鞍馬天狗とすることに
京八流剣術の祖でもある要素は守護役の分家のイメージとしても拾えるか
まあ、術式に名前を冠しているだけだから、実際は風峰の家系とは関係ないけども

その他の妖怪についても簡単に書いておく

「橋姫」は一種の水神信仰であり、外敵の侵入を防ぐ橋の守護神とされている
様々な橋に祀られているため、特定の一柱を指す言葉ではない……のだろうか?
もっとも有名な「橋姫」は平家物語における「宇治の橋姫」だと思われる
「宇治の橋姫」は嫉妬に狂った余りに貴船大明神に祈りを捧げて鬼神と化し、
多くの人間を手に掛けた末に、頼光四天王の渡辺綱に腕を切られたとされている、
その物語は丑の刻参りのルーツともなった伝説的な鬼女のことである
宇治橋の橋姫は「瀬織津媛」とされるが、平家物語の橋姫と同一視されている
「宇治の橋姫」には様々な物語のバリエーションが存在しており、
現在の藁人形などを用いる一般的な丑の刻参りの原型となっているのは、
室町時代に能の演目として「宇治の橋姫」を描いた「金輪」という謡曲だ
なお、平家物語では21日間に渡って宇治川に身を浸すことで橋姫は鬼になった

「土蜘蛛」は鬼の顔、虎の胴体に蜘蛛の手足を有する妖怪であり、
元々は古代日本において、天皇に従わない土着の豪族を指した蔑称だったが、
時代と共に妖怪として定着し、様々な物語に登場する怪物として知られている
特に日本書紀に登場する、奈良の葛城山を住処としていた土蜘蛛は有名だろう
また酒呑童子や宇治の橋姫と同じく、源頼光と四天王に討伐されてもいる

「鵺」は猿の顔、狸の胴体に虎の手足を持ち、尾が蛇となっている妖怪であり、
その不可解な姿は、日本におけるギリシア神話のキマイラとも言える異形の存在
平家物語など様々な文献に登場し、出現時期については諸説ある
また、一説には雷獣と同一視される場合もあるらしい
平家物語においては毎晩のように黒煙の姿となって天皇の御所を覆ってしまい、
不気味な鳴き声をもってして二条天皇を恐怖に震え上がらせた末に、
とうとう病の身にまで追い込んだが、弓の名手である源頼政に討ち取られた
退治されたその後については諸説あり、様々な末路が語られている
なお、『鵺』という名前は夜に鳴く凶鳥(トラツグミ)のことを指す名前であって、
正確にはこの妖怪を示す名前ではなく、そもそも名前自体がありはしない
だが、平家物語では『鵺の声で鳴く得体の知れないもの』と書かれているため、
自然と『鵺』と呼ばれるようになっていったらしい
ちなみに「正体の不可解な存在」を指して『鵺』や『キマイラ』と呼ぶこともある
術式名称としては「鵺」という一文字だと他の妖怪に名前負けしそうなので、
申し訳程度に「夜」を付けて「夜鵺」としてみることにする

ついでに、「七歩蛇(しちほだ)」についても書いておく
「七歩蛇」は京都東山に現れた体長4寸ほどの小さな蛇状の妖怪
蛇といっても四本の足を持っており、その姿形はまるで龍そのものだったとされる
鱗は真紅で、鱗の間は金色に輝き、とても強力な猛毒をその身に宿している
七歩蛇に噛まれた者は、猛毒によって七歩も歩かぬ内に死んでしまうことから、
このような名前が付けられたということらしい

◎弥終の剣、壊劫の鏡、究竟の勾玉について
『弥終』とは『物事の果て、最終、最後』を示す言葉
『壊劫』とは、世界の成立から破滅までの経過を四つに大別した『四劫』の内、
世界が破滅する時期を指す四劫の第三期を指す言葉
『究竟』とは「物事の極み、最高のところ」を示す言葉
四天家は『剣、鏡、勾玉』という天皇家の象徴に上記の意味合いを加えたことで、
天皇を打倒して成り代わるための宝具として祀っているという構想
四天山は風峰が管理してるから、他の三家はこれらの宝具を守っているのだろう
もっとも、今更になって天皇打倒は考えてないだろうけども

◎魔術体系の名称に関して
『火遁』、『水遁』、『風遁』、『土遁』は遁術という忍術の一種であり、
多くの創作物においては攻撃的な技の名として用いられることが多いが、
本来は相手の行動を阻害することで文字通り遁走するための技術に過ぎない

『奇門遁甲』は、古い占術の一種として現在は使用されているものの、
その大元は諸葛亮孔明などが用いたことで有名な兵法の一種だとされており、
軍事的には主に陣地を築くための技術であったと考えられている
奇門遁甲は非常に難解だが、簡単に言えば方位の吉凶を見定める術であり、
八つの方角の門を用いることから『八門遁甲』とも呼ばれている
最近では『鬼門遁甲』という間違った綴りが多く見られるようになったが、
『奇門』と『鬼門』では言葉の意味がまるで逆となってしまうので要注意とのこと
ちなみに『奇門』は素晴らしい門、『遁甲』は九星の運行循環を意味する言葉である
よって前述した忍術における遁術とは関係がないと思われる……かと思いきや、
手元の電子辞書の記述によると、遁術は『遁甲の術』の略称であるらしい
そして『遁甲』とは『人目を紛らわせて姿を隠す術』と定義されている
……どうにも把握が困難だが、『遁甲』は上記の両方の意味を併せ持っているようだ
占術としての『遁甲』には、天文現象から(方位の?)吉兆を判断することで、
人目をくらませて身を隠すための術法……という定義(用法の一種?)があるので、
この『身を隠す』という部分が、忍術における遁術に通ずるのだろうか?
うーん、ややこしいぞ……『奇門遁甲』の定義や用法についてがネックのようだ
これを順序立てて理解しないと、関係についての理路整然とした説明は無理である
想像するに、元々の『遁甲』の意味は『九星の運行循環』であり、
それを用いた『奇門遁甲』には『方角の吉兆を占って身を隠す』という用法があった
後に『奇門遁甲』が日本に伝わってからは、その用法に由来して、
『遁甲』は『姿を隠す』という意味で用いられるようになり、
それが忍術における遁甲術という名称にも繋がった……といったところだろうか?
しかし私には錯雑過ぎて、これ以上の詳細については調査しきれないな……

筆者は非常に痛々しい子なので『風術』などの単純な呼び方が気に食わない
よって忍者の領分に踏み込むことになるが、大系名として遁術を用いることにした
更に畑違いも字面違いも甚だしいのは十二分に承知の上で、
冥属性の魔術は『鬼門遁甲術(鬼遁術)』という名称にしてしまおうかと思う
どうせならば全てを『遁』で揃えた方が統一性もあって良い感じだろうし、
実は『火遁』とかも『火門遁甲』の略なのかもしれないし?
いやまあ、八門の中にはそんな門は存在しないけれどもね……
単純に『火を利用する遁甲の術』の略称で『火遁』と呼ばれているのだろう
だが、属性の力を『門』、術式回路の魔力の廻りを『遁甲』と表現できなくもない
『奇門』は素晴らしい門という以上、天属性と定義するのが相応しいように思うので、
虚属性はそのまま嵌め込み式で『虚門遁甲術』という大系名称としてみる
そして無属性に関しては『気門遁甲術』というのがそれらしいだろうか
うぅむ……そうなると『キモン』と呼ばれる術式大系が三種類もあるということに……

『倚天』とは『天を貫く』という意味の言葉
三国志においては魏の曹操が倚天の名を冠する剣を佩いていたとされている
『天』を貫くということから、四天は天皇打倒のための最終兵器として、
この『倚天』という言葉を冠した何かを所有していたかもしれない
なお、四天家は『天属性』が『光』と『法』を象徴するということから、
即ち『天皇』の象徴ともなりうるとして、天術については一切の継承をしていない
冥属性は焔と風峰、虚属性の術式は水月院と地神が受け継いでいる

『八岐大蛇』は水を象徴する龍神としての面があるとされ、
稲穂を表す『櫛名田比売』と合わせて河川の氾濫と治水を表現したというのが、
もっとも一般的な解釈とされているそうだが、
当時の出雲国を実際に攻めていた越国を『八岐大蛇』とする説も存在している
また『天叢雲剣』は当時の出雲国の製鉄技術を象徴したものと言われているが、
そもそも『天叢雲剣』は敵である八岐大蛇の尾から得たものであるため、
その説を正しいとすると、まるで出雲国が八岐大蛇であるかのように読めてしまう
もっとも有名な神話の怪物でありながらも、なんとも解釈の難しい存在である
なお『天叢雲剣』は文献によって様々な名前で呼ばれており、
他には『草薙剣』、『都牟刈の大刀』、『八重垣剣』などの呼び名が挙げられる
また、退治に用いた『十握剣』は固有名詞ではなく、単純に長剣という意味だが、
スサノオの『十握剣』は『蛇の麁正』、『韓鋤の剣』、『天蠅斫剣』とも呼ばれている
それはともかく、日本神話における荒ぶる神としては代表的とも言える存在
これと『倚天』を組み合わせると、いかにも最終兵器な感じがすると思うのだが

『七支刀』は、古代の豪族『物部氏』の武器庫で発見された鉄製の剣
日本書紀において百済から倭に贈られたされる『七枝刀』と同一視されており、
朝鮮半島と日本の関係に関する貴重な資料と見られている
刀身の両側から枝が3本ずつ互い違いに突き出している特殊な形状から、
実用的な武器としてではなく、祭祀的な象徴として用いられたと考えられている

全長は74cm程度であり、意外とそれほどの長さではなかったりする

『八人童子』は『火』を意味する隠語の一種であり、
『火』の字は『八人』と分解できることが、その由来とされている
七支刀と八人童子の要素を組み合わせて宝具としたことに、特別な意味はない
なんとなくカッコ良さそうな感じがしたから、ただそれだけの話だ


●銀雨
久々の戦争だけれども、日曜は無理だよ。無理だって。
最近は展開にも付いて行けんし。科学人間って何時の間に出てきたんだ(汗)。
せめてGT返しくらいはしときたいが、Javaはご機嫌斜めのご様子……。
まあ、戦争自体は知り合いに操作の委託を頼もうと思えば頼める。
だけど他の方面でも忙しいし、シルバーレイン自体への復帰は当分厳しいな。

●スペルコレクションズ・オリジン
幕府の時代に蟹文字だと妙だから、和名を考えねばいかんよな……
~~流 風遁術 風峰宗家 万葉術伝の書 みたいな感じかな?
えぇっと、そもそも四天家も遡れば陰陽道や修験道の一派だったのだろうか
そうなると双龍院安倍家みたいに雅号があるべきだよな
……いや、後に異端と呼ぶべき異国の魔術を操る一族と化している辺りを鑑みると、
むしろ都落ちして朝廷に恨みを持ち、その妄念が元で見境も節操も無くなってしまい、
外道や邪法と称される術法をも次々と取り入れて肥大化していった、
反朝廷派の逆賊である異端の複合呪術士一族という方がそれっぽい感じかな
土着の呪術士一族としては民衆に支持され、辺境にて徐々に勢力を拡大していき、
やがては攻撃性の高い西洋魔術を取り入れたことで、
戦国の世では大名に重用され、その術をもって成り上がっていたみたいな
そうなると幕府とは少なからず繋がりがありそうだし、衰退していくのは妙な感じだな
分裂したのは衰退が原因ではなく、利権争いが原因だろうか
西洋魔術の一派、神道・陰陽・修験道など土着系一派、
道教・密教など大陸系一派、仏教などの宗教系一派、錬金術など科学系一派、
そんな風に主として専攻する術法の違いによって、四天内では派閥があったのかも
そして後世の新政府による因習・迷信の排除によって利権との繋がりは失われ、
今となっては土着の旧家としての立場しかない、といった風が妥当かな
あれ、なんで和名を考えるだけで四天の成り立ちを考える羽目に……?
正式名称は置いておくとして、家督襲名の証でもあることから、
別名として「襲之書(かさねのしょ)」とでも呼ばれていることにするかな

●分家
稲葉さんが仕事をしているようには思えないから、
収入確保役とかの分家があるんだろうかと考えたけれど、流石にそれは無いよな
根っこの方は呪術師といういかがわしい由来だけど、一応は地元の名家
政治家とかやっているとしても違和感は無いように思う
ただ、政治家は焔の家系の方がそれっぽいような感もあるんだよね
水月院は表向きは舞踊とか伝統芸の家元ってイメージがある
地神は魔術の為に精神を鍛える手段として古武術を取り入れており、
地神流柔体術とか地神流骨法術とかの総元を務めていそうな雰囲気
となると風峰もなにかしらの表向きの職というか、立場がありそうなものだ
それはともかく、分家の話を続けよう
裏葉さんが風峰分家の出身という設定なのだけれど、その分家について
風峰に限った話ではないが、術士の類はとかく脆くてしょうがないわけで、
魔装が開発される以前においては、とっさの襲撃に迅速な対応が出来なかった筈だ
だから魔術師の一族でありながら武芸者としての修行を積み、
宗家惣領の守護役の任に就く分家一族があるんじゃないかと考えた
クラスは恐らく『侍』辺りが妥当だろうな
んでもって裏葉さんはその一族出身であり、稲葉の妻にして守護役なんじゃないかと
風峰以外にこういう家系があるかは分からないが、取り合えず一つの案として
この設定は使いようによっては、幼い頃に斑葉と分家の娘が会っており、
努力していた斑葉のことを助けたいと思ったその娘が今になってゲフンゲフンとか、
美鈴さんの家系が、かつては風峰の分家だったが謀反を起こして粛清され、
それ以来『贄の一族』とされてきた過去を持っている感じっぽいので、
実は美鈴さんの家系は反逆する以前は風峰守護役の分家一族であり、
今になって美鈴さんが侍としてゲフンゲフン……とか、まあいろいろ出来ますね
ていうか、この両方の案が同居できる点に気付いて、思わず引っ繰り返った
これなんてラノベ? いや、むしろこれなんて(自主規制)

●風峰・紅葉(かざみね・こうよう)
風峰家の次男にして、次期当主と目されている15歳の少年
無能とされる兄の斑葉とは異なり、その実力は折り紙つきの天才で、
風峰家始まって以来の最高傑作とさえ呼ばれている風の麒麟児
気さくで明るい性格に加えて、優しさと正義感も持ち合わせており、
また、自らの才能に驕ることもなく、謙虚で誰に対しても礼儀を欠かすことはない
能力的にも人格的にも文句の付け所の無い、完璧を具現したような存在
顔立ちは斑葉と似ているが、目元は涼しげで穏やか。真っ当な美形
四天筋の魔術師としては珍しいことに世界魔術協会に籍を置いており、
一線級のウィザードとして日夜活躍を繰り広げている
しかし、この活動については四家の間で批判の声が数多く上がっており、
如何に無能といえど兄を差し置いて次期当主の座にあることと併せて、
非難と嘲笑の足掛かりとして頻繁に弾劾の槍玉に挙げられている

紅葉(こうよう)を次期当主に相応しい厳格な人間に育て上げるにあたって、
斑葉との接触は悪影響しか与えないと判断し、快く思わなかった稲葉により、
小学校入学まで、その存在自体を秘匿された幽閉生活を送っていた
裏葉は懐妊が判明した直後から、病と詐称することで屋敷の離れに隔離され、
出産後は屋敷に戻ったものの、紅葉(こうよう)を連れ出すことは許されず、
さながら離れは紅葉(こうよう)の座敷牢となって、徹底的に隠匿された
外部と遮断された環境下で、幼少からひたすら魔術を学ぶことだけを強要され、
そのまま成長していけば、稲葉の目論見通りの人間となったかもしれない
だが薄暗い部屋を世界の全てとする、死んだ瞳をした幼い紅葉(こうよう)を、
世話役だった下女たちが不憫に思い、裏葉に進言すると、
やはり母親としてやりきれないものを感じていた裏葉も、それに同意する
そして、意見することを一切禁じる稲葉には説得など不可能であるため、
口裏を合わせて皆が協力することで、紅葉(こうよう)に人間らしい心を教え、
外部にもこっそりと連れ出すなどして、情操的な成長を促していた
幼い子供ゆえに、これらの行動の影響はすぐ顕著に現れたため、
それを見た稲葉が妻の裏切りに勘付いていた可能性は否定できないが、
この件に関しては裏葉も下女も一切の咎めを受けていない
なお、紅葉(こうよう)は6歳頃から自分ひとりで抜け出した経験も何度かあり、
その際に、父に認めてもらおうと修行している斑葉と顔を合わせている
両者とも互いの存在を知らなかったため、分家の人間か何かと勘違いしてしまい、
よもや実の兄弟とは気付かないままに仲良くなって、半年ほどを過ごしていた
紅葉(こうよう)は、自分が斑葉の目的の障害であることなど夢にも思わず、
斑葉の努力に感銘を受け、応援し、修行相手にもなっていた
後に、斑葉が父に成果を見せるもあっけなく切り捨てられ、
同時に見捨てられた理由として紅葉(こうよう)と対面させられたとき、
二人は初めて互いが兄弟であることを悟り、心はすれ違いを始めることとなる

家族のことを愛しており、それは外道である父に対しても変わることがない
斑葉に対しては、彼が血の滲む様な努力をしていた時期を知っているため、
単純に兄としてだけではなく、人としても強い尊敬の念を抱いており、
次期当主には、自分よりも斑葉の方が相応しいと考えている
だが、自分の存在が斑葉にとって重荷になっていることも自覚しており、
突き放すような斑葉の態度も相まって、嫌われていると思い込んでしまっている
それも仕方がないと頭では分かっているものの、兄の力になりたいと願っており、
避けられていることは承知の上で、斑葉の背中を追い続けている

自分の与り知らぬ内に、風峰家を出ていた斑葉の行方を案じていたが、
MWF終結後に、守護者の下で働いていたことを世界魔術協会を通して知り、
それ以来、斑葉の元を訪れては実家へ戻って欲しいと説得している
同じく実家の稲葉も説き伏せようとしているが、どちらも納得はしていない

実は10歳頃に、血の薄れによる「風」の力の消失を恐れた父の稲葉によって、
人体改造儀式を受けており、体内には一族伝来の風魔石が埋め込まれている
これは紅葉(こうよう)の本意によるものではなかったのだが、
もしも拒絶すれば、斑葉と紅葉(もみじ)に危害を加えることを示唆されたことで、
不本意ながらも魔力増幅の施術を受けることとなった
結果として、元々の高い潜在能力に風魔石を加えて底上げされた魔力は、
歴代当主も顔負けの水準となり、稲葉の目論見通りとなったものの、
強大過ぎる力を自力では制御しきれなくなってしまったため、
腕輪に見立てた特注のリミッターによって、常に魔力をセーブしている

以上のような経緯から、風峰家のなりふり構わない裏の面に気付いており、
四家の当主達が人体からの魔石抽出を企てた事件の折には、
いち早くその陰謀を察知して、人道を外れた所業を妨害すべく機会を窺っていた
兄妹には迷惑を掛けまいと、斑葉や紅葉(もみじ)にこの件は伏せていたが、
同じく稲葉らの企みを知って駆けつけてきた斑葉達と協力することで、
美鈴から魔石を抽出する儀式の発動を阻むことに成功する
しかし、追い詰められた稲葉によってリミッターを解除されてしまったことで、
暴走した魔力に肉体が耐え切れず、手酷い重傷を負ってしまう
幸いにも一命は取り留めたものの、片目の視力は完全に失ってしまい、
また、まともに動けるようなるには、長いリハビリを要する身体になってしまった
現在は世界魔術協会の傘下にある病院で、療養のために入院しており、
リハビリの片手間に、四家の処理に関する書類仕事を手伝っている



●風峰・紅葉(かざみね・もみじ)
斑葉と紅葉(こうよう)の妹に当たる、風峰家の長女にして末子
紅葉(こうよう)にこそ及ばないものの、若干13歳で相当な実力を秘めており、
兄と同じく世界魔術協会の一員として、戦いの日々に身を置いている
楚々として大人しい印象を与える可憐な容姿は母譲りのものであり、
振る舞いも裏葉に似て、淑やかで控えめな物腰をしているが、
その内面は毅然として芯が強く、凛とした意思と心の強さを持った大和撫子
また堅実なしっかり者であり、その卒の無い手際のよさから、
おっとりとしすぎている母に代わって、風峰家の日常の雑事を取り纏めている
家事に関してはほぼ万能と言ってよく、特に料理は得意だと自負しているが、
最も自信がある和食に限っては、母の味には敵わないことを自覚している
最近は斑葉のアパートで垣間見た、涙ぐましい節約料理に感化され、
苦しい家計のことも鑑みて、独自に節約料理を研究しているらしい

紅葉(こうよう)のことは親しげに兄さんと呼ぶ一方で、
斑葉のことは兄様と呼んでおり、どこか余所余所しい態度を見せている
だが、紅葉(こうよう)の存在が知らされていなかった頃に生を受けたため、
斑葉のことは紅葉(こうよう)以上に、兄として親しみを覚えており、
幼い頃によく面倒を見てくれた斑葉のことを決して嫌っているわけではない
斑葉は、物心がついた頃から自分が二人を遠ざけようと振る舞ったことで、
紅葉(もみじ)には冷淡な自分の記憶しかないからだろうと考えているが、
それは間違いであって、紅葉(もみじ)は昔の斑葉をきちんと覚えている
その上、斑葉は自分たちのことを考えて、不用意に傷つけることの無いよう、
故意に素っ気無い態度を取っていることにも気付いており、
現在の遠慮した距離間は、斑葉の意思を汲んであえて行っているに過ぎない

紅葉(こうよう)と同様に、風峰家を飛び出した斑葉の行方を心配していたが、
ようやくMWF終結後に突き止めることが出来たため、兄と二人で訪れては、
差し入れを届けたり、不摂生な斑葉に料理を作ったりしている
紅葉(こうよう)とは違って、実家へ帰るように説得はしていない
紅葉(もみじ)自身としては帰ってきて欲しいと思ってはいるが、
無理矢理に連れ帰るよりも、斑葉の判断に任せるべきと考えている
やはり次期当主は斑葉が相応しいと思っており、兄弟間の和解も願っているが、
これも同じく、斑葉の意思と心の整理を尊重したいと考え、口は出さない

四家の取り潰し以降は、実家の雑事や紅葉(こうよう)の看病だけでなく、
紅葉(こうよう)が抜けた穴を埋めるため、ウィザードの活動も積極的に行い、
二人の兄の身を案じつつ献身的な頑張りを見せているが、
逆に紅葉(もみじ)の方が過労で倒れやしないかと、
母と紅葉(こうよう)は勿論、斑葉も内心でかなり心配している




●風峰・葉(かざみね・よう)
風峰家の初代当主であり、歴代の中でも随一の魔力を誇る不世出の魔術師
その力量は、魔石によって強化された紅葉(こうよう)すらも凌ぐ程のものであり、
四家全体の歴史を見ても最強の存在と断言できる稀代の天才だったという
だが、生まれつき身体が非常に弱く、病を患っていない時は無かったために、
二十代の若さで早世してしまったとも伝えられている
その生涯において、独創的な発想と奇抜ながらも筋の通った論理で象った、
魔術理論に関する難解な考察論文を数多く遺していることから、
単純に生まれつきの魔力に恵まれただけの人物でないことを窺うことができる
彼が記した書物は風峰家に所蔵されており、門外不出のものとされていたが、
四家の崩壊以降は魔術協会の監査が入ったため、
危険な魔術を扱ったものについては禁忌書の烙印を受け、没収されてしまった
なお、斑葉が改良して扱っている魔術回路は葉の演繹を参考としており、
独学で葉の書物を読み解くことで魔術のイロハを学んだ斑葉にとっては、
師匠と呼び習わすべき先達の魔術師でもある
葉自身に関する記録は上記以外に殆ど伝承されておらず、
その終生における功績も、口伝には乏しく、書物を除いて知ることは難しい

彼が既に逝去した歴史上の人物であることは疑いようの無い事実だが、
それは肉体が朽ち果てた証明にしかならない。彼の意識は未だ生きている
代々の風峰家当主が受け継いできた一冊の魔術書を根拠の由来する、
歴代当主のみが知り得ることを許された彼の現実存
風峰葉自身が愛用していたという、彼の数多の研究の精髄ともいえる魔術書
家督継承者の証である『スペルコレクションズ・オリジン』を依代として、
初代当主の意識、魂魄、つまりプラーナは現在に永らえているのである
風峰葉はインテリジェンス・アイテム――スペルコレクション・オリジンとして、
陰から一族を見守り、時の当主らに助言を与えてきた
ただし自身の存在については次代当主にも伏せて、漏らすことを固く禁じ、
継承後、対話を行うに足る人物と見極めるまでは只の書物であり続けた
なお、斑葉の祖父である艾葉と、父である稲葉は対話を行っていない
斑葉は、四家の当主らによる企みについて調査をしていた折に、
稲葉の隠し書庫に安置されたスペルコレクション・オリジンを手にしている
それ以降は、稲葉との戦いで自身の魔術書がズタボロになってしまったため、
継承の証とはついぞ知らないままに自身の書として扱っていた
葉は艾葉とも稲葉とも異なる斑葉に興味を持ち、早くから対話を試みていたが、
斑葉に宿った冥蟲王によるノイズに阻まれ、思うように疎通を図ることが出来ず、
冥蟲王討伐の際に欠片を抽出したことで、ようやく精神のリンクが完全に繋がった

現在は、斑葉の歴代で類を見ない驚くべき素質の低さをからかいながらも、
自身の理論を応用していることから、飲み込みの良さと理解力の高さは評価し、
気が向いたときには助言を説いてやっている
また、サイカーチェスの欠片を喪失したことで、ただでさえ低いというのに、
更に大幅に減退の憂き目に遭った斑葉の魔力を補うための方策として、
三原教授の技術を応用して互いのプラーナを循環および共有することにより、
ウィザードとしての斑葉をかろうじて保つ魔力の心臓部としての役割も担っている
ただ、これには両者の思考も共有されて筒抜けとなってしまう副作用があるため、
葉に四六時中揶揄され続ける生活となった斑葉はかなりウンザリとしている
ついでに蛇足ではあるが、オリジンの厚さは枕として非常に心地よい高さらしく、
疲労困憊の斑葉が、オリジンを枕として死んだように眠っている光景が良く見られる
そのあまりにぞんざいな扱いに、もっと先祖を敬って大切にしろと葉は嘆いている

天性の図抜けた才を持っているが故なのか、自覚も悪気もないのだが、
どこか常人を小馬鹿にしたような、人を食った態度をしており、
それもただでさえ触れてはならない逆鱗をわざわざ逆なでしてしまうという、
天然で辛辣な毒舌を諷する性質の悪い性格をしている
仮にも当主であった者でありながら、家系の存続については然程の興味は無く、
己の興味の赴くままに子孫を観察し、時には梃子を入れるなど介入して、
得られた結果から様々に思いを巡らせては、楽しみを見つけている
恐らくは生前からこのような掴み所の無い、気儘な奇人であったのだろう

なお、このスペルコレクション・オリジンに宿っている人格は、
確かに強大な魔力と深遠な知能を持ち、自ら葉の名を名乗ってはいるが、
彼が本当に風峰葉だと証明する術は無く、本人だと断言することはできない



●風峰・艾葉(かざみね・がいよう)
先代の風峰家当主を務めた、斑葉の祖父にして、稲葉の父親
魔術師としての腕は決して良いものではなかったが、交渉術に長けており、
在任中の四家間の交渉において、常に優位な立場を崩すことは無かったという
18才で家督を相続して以来、60年の長期に渡って当主の名を背負っていた為、
その影響力の残滓は、稲葉への代替わり以降も四家間に色濃く残り続けており、
同じく優れた才覚を持つ当代当主の稲葉が、それを上手く利用することで、
風峰家は後継者に懸念が残る極めて不安定な立場として見られているにも拘らず、
依然として四家筆頭として他の一族への強制力を根強く保つことに成功している
近代の風峰家の強固な地盤を磐石なものとする土台を築いた老獪な人物

他の四家は表面的には風峰に追随しながらも、艾葉の存在を疎ましく思い、
生前は直接的にも間接的にも、彼の排除を企む動きの絶えることは無かったが、
手練手管で四家全体を掌握していた艾葉にとっては、全てが掌の上の遊戯であり、
最終的には、高齢を理由として指摘することで、引退を迫る程度のことでしか、
他の当主らが抵抗できないような力関係の構図を、艾葉は組み上げていった
だが、この次代への引継ぎを求める声は風峰家内部からも少なからず上がっていた
跡取りの稲葉は高い魔力を持ち、頭脳も艾葉に引けを取らないと専らの噂で、
艾葉が席を譲ったとしても風峰家の地位が揺るぐことは無いだろうと評価されており、
また分家の人間には独断専行が目立つ艾葉を面白く思わない者もいることから、
共通した内外の声によって、次第に艾葉は引き際を強く迫られていった
しかし、それでも何故か艾葉は引退することを頑なに拒み続け、
斑葉の誕生から程なくして瞑目に至るまで、生涯に渡って家督を守り続けた

艾葉は分家筋から複数人の妻を娶っており、総勢で8人の子宝を儲けたが、
7人までが若くして落命してしまい、末子である稲葉だけが成人を迎えている
この件には不審を抱く者が多く、家督を欲する稲葉の陰謀と囁かれることがあるが、
公的には病死や事故死とされ、事実関係の詳細は明らかにされていない

有能だが、その巧みな手腕が仇となって手の届く全ての欲望に目が眩んでしまい、
当主の座にギリギリまで無様にしがみ付いた愚かな古老と艾葉は見られているが、
「焔」も「水月院」も「地神」も知る由は無いものの、事実は少しだけ異なっている

艾葉が欲深いのは間違いなく、権力の椅子に固執していたのも確かであるものの、
それ以上に、彼は自身の乏しい魔術の才に対して、コンプレックスを強く抱いており、
当主就任直後から、弱まりつつあった風の血脈の保存と補強を体の良い名目として、
財力の限りと権力の及ぶ全てを尽くして、己の魔力の向上の研究を続けていた
その執念は年を経るごとに強くなり、やがては狂気染みたものにまで昇華され、
ついには、スペルコレクションズ・オリジン』に記載された邪法を改良することで、
自らの子供を贄として自身の魔力に転化するという、禁忌の業に手を染めてしまう

それは本来、一族において死者が出た際にのみ使用が許された儀式であり、
そもそも生者に対しては行使することができない筈の術式だったのだが、
艾葉は発想を転換することで、3人の子供の犠牲と引き換えにしながらも、
とうとう立ちはだかっていた技術的な障害の排除を成し遂げてしまい、
施術者が血の繋がりの限りなく近い縁者ならば吸収することに成功してしまう
そして、自身の子から生きながらにしてプラーナを抜き取り、己の力に変換するという、
まるでエミュレイターのような悪魔の所業に魅入られた艾葉は、
その後、4人の子供たちのプラーナを、文字通り生き血を啜るようにして喰らい尽くした

(以下、続きます)


●当初の予定
ヴァルモン帝国に生まれ、まだ尻の青い頃に徴兵されて以来、
あっちこっちでドンパチをやらされ続ける人生を送り、いい加減うんざりしていたが、
ようやく血で血を洗う馬鹿騒ぎに一区切りがついたので退役し、帰郷する
そこまでは良かったのだが、手に職はないし、おつむもスッカラカン
家族は戦争に巻き込まれて亡くしているし、親類縁者もほとんどいない
貴重な青春をまるごと戦場に捧げる羽目になった身には、仕事を頼るツテも無い
おかげで食うに困った挙句、嫌々ながら戦場に舞い戻る羽目になってしまう
長い軍隊生活が祟って精神を磨り減らし、搭乗していた降魔戦車の影響もあって、
軽くシェルショック、神経衰弱になりかけており、基本SAN値が相当ヤバい
喇叭の音を引鉄に意識が戦場モードに切り替わり、鬼軍曹に変貌するなど、
もはやちょっとした二重人格状態。誰か一刻も早く医者を呼んでくれ
正常な判断力も危うく、過酷過ぎる戦場からの救いを求めるあまりに、
『現在、超能力が各界から注目を浴びています!』
『その存在が科学的に証明され、人工的な超能力者の養成も実現しました』
『戦中の深刻な不況下でも、稀有な才能を持つ超能力者は引く手数多です』
『さぁ! この通信教育であなたも未来の超能力者!』などという、
とんでもなく怪しい商売文句に、ものの見事に引っかかってしまい、
毎日戦場の片隅で、教材という名のクロスワードパズルを黙々と解き続けている
そのある意味で鬼気迫った姿に周囲は恐れをなし、友人は一人も居ない

 

事前に、友人から世界観を聞いて軽く案を練ってみた結果、
毎度のことながら不幸というか、かなり危ない人間が出来上がってしまった
しかしギア・アンティークは6才から80才までをダイスで決めておくTRPG
ダイスの神様のご機嫌次第では、この方向性から外れる可能性も高い
さて、どうなることやら……

 

●いざ、覚悟を決めてダイスロール
★出身国籍:ユーレンブルグ王国
ぐはっ! いきなり予定から外れたか……
よりにもよって、ユーレンブルグはソビエト連邦をデフォルメした国家である
つまり、ドイツ第三帝国をモチーフにしたヴァルモンとは敵国の関係下にある

★親の職業:飲食
無難である。まあここは何でも構わない

★幼少時代
不幸な幼少時代を選択してダイスロールしたところ、
親友だと思っていた人間に物凄く恨まれているという結果に
一体なにをやらかしたっていうんだよ、エントリヒ君?

★経歴
06才:オーソドックスに『初等学校へ入学する』
07才:『女学生と親しくなる』 おのれリア充め
11才:『降魔教団の陰謀を阻止する』 流石に不採用にしておく
    『休日の冒険/失敗』 かなりひどい目に遭ったらしい
12才:方向性に則って『兵学校(機甲兵)に入学』
14才:初恋表で『大人の恋』が出た
    年上から告白されたが、戸惑いばかりで過ぎ去っていった苦い思い出らしい
16才:『兵士』の職に就く
    そこはかとなく、現時点で経歴にリア充の雰囲気が漂ってきていて困る
17才:『牧師と親しくなる』 なにか思うところでもあったのだろうか
20才:成人婚ではなく適齢期の結婚を選択することにする。
    成人婚をしなかった理由は『出会いなし』 あれ、意外とモテてない……?
    その後の人生も『苦しい思い出』のせいで結婚に踏み切れなかったらしい
23才:『降魔教団の陰謀を阻止する』
    またコレかっ!? そんなに降魔教団を潰したいのかっ!?
27才:傷病表を振る羽目になるが『ごく元気』だったらしい
    図らずも本家ルーデル並みの不死身ぶりを予感させる
31才:『不幸を呼ぶ兵士』 部隊が全滅するが1人だけ生き残ったらしい
    ダメだこいつ。本当にルーデルの名を自分の物にしつつあるぞ
32才:ここらで『無職』にしてみる。頼むから死ぬ前に一度実家へ帰ってくれ
34才:だが二年で『兵士』に逆戻りさせる。考えた筋書きはこの辺りまでだな

 

●設定を擦り合わせて固めてみる
ここで一旦切って、事前に考えた案と擦り合わせを行うことにする
ヴァルモンではない以上、降魔戦車との関わりは難しい……
色々考えた結果、こんな感じになった
前提として 1.同年齢の男の幼馴染がいる 2.エントリヒは戦車に憧れている


06才:『初等学校へ入学』
幼馴染と共に入学し、賑やかに学校生活を送り始める

07才:『女学生と仲良くなる』
帝都から越してきた少女と、初等学校で仲良くなる


11才:『休日の冒険/失敗』
戦車への強い憧れが勢い余って、地元近辺で演習中の戦車隊に友人らと潜り込み、
誤操作で砲車を大暴走させるという騒ぎを巻き起こしてしまう
幸い何事も無かったが、それはもうこっぴどい説教をたんまりと賜った
少女の父親の名前のお陰もあって、その程度で済んだようだ

12才:『兵学校(機甲兵)に入学』
相変わらず戦車を愛し続けた結果、幼馴染を引き摺って機甲兵学校に入学する
同じく戦車を愛する同志達と共に、日々勉学と訓練に勤しむ生活を送る

14才:『大人の恋』
年上の女性――即ち高官の娘から、エントリヒは愛を告白される
少女に好意を抱いていた幼馴染だが、エントリヒになら譲っても良いと思い、
男らしく二人を温かく見守ることを決意して、告白に立ち会うことにする
だがエントリヒは「ごめん、俺にとっては君より戦車の方が魅力的なんだ」と、
衝撃的な一言ですっぱりと袖にしてしまい、呆然と思考停止に陥る少女
そしてあまりといえばあまりの振り文句に幼馴染は完全に逆ギレ
訳も分からないままにエントリヒは絶交を宣言され、
戸惑うばかりだったという

16才:『兵士』の職に就く
愛する戦車と共に戦うことを選択したエントリヒは、兵士の道を歩みだす
一方で、幼馴染はエントリヒへの憎しみが戦車への憎しみに転じてしまい、
機甲兵学校を辞めて戦車破壊技術を学んでいるかもしれない


17才:『牧師と親しくなる』
彼にも、何か悩みがあったのだろう……いや、ないだろうな。間違いなく無い


20才:『出会いがない』ので成人婚なし
ここで、なんと士官になっていた少女がエントリヒの前に現れる
「私の前に跪くなら、最新型の戦車に載せてあげる」と懲りずに誘惑するのだが、
「ごめん、俺にはもう将来を誓い合った戦車(ひと)がいるんだ」と、
エントリヒは背を向けて去っていってしまう。悲しみのあまりにくずおれる少女
そして二人の様子を陰から見ていた幼馴染も思わず気が遠くなるのだった

23才:『降魔教団の陰謀を阻止する』
任務で降魔教団を叩き潰すことになったのだろうと思われる
「何が降魔だ! 戦車こそが最強にして最強の存在だ!」
「それは即ち、戦車に採用されている蒸気の力こそが最強ということだ!」
とか訳の分からないことを叫んでいたかもしれない

27才:傷病表を振るが『ごく元気』
任務で砲撃をまともに喰らってしまうが、エントリヒも愛機も無傷だったという
    
31才:『不幸を呼ぶ兵士』
部隊が全滅するが1人だけ生き残り、何事も無かったかのように復帰する
だが今回は四年前とは違って愛機が完全に大破してしまっており、
それを知らされたエントリヒは悲しみのあまりに軍を自主退役してしまう
そのまま田舎で愛車を弔い、喪に服しながら静かに余生を過ごそうと、
人生の半ばにも達していないのに強引に隠居を決め込む

32才:『無職』
寂れた地元で、実家の飲食店を手伝いながら穏やかに毎日を送る
あくまで手伝い程度であり、ご近所の評判も悪いため、無職扱いとする

34才:『兵士』に逆戻り
死んだように時間の停止した繰り返しの中で生きるエントリヒだが、
店にやってくる兵士から、ヴァルモン帝国の降魔戦車のことを耳にする
その性能、その魅力に取り付かれてしまったエントリヒは、
先代の愛機のことや、降魔を罵ったことなど忘却の彼方へ消し飛ばし、
是非とも乗ってみたいと悩んだ挙句に
敵国ヴァルモンへと亡命する
早速ヴァルモンで兵士となり、降魔戦車に載せてもらおうとするのだが、
当然無理に決まっているし、大体よく兵士になれたものである
それでもエントリヒは諦め悪くも、降魔戦車乗りになる日を夢見ている……

……なんだコイツは、ただの変態じゃないか!



●混ぜるな危険とか言うの禁止
亡命者が兵士になるのはやっぱり厳しいということなので、
掟破りの反則技ではあるがGMから許可を得て、出身地をヴァルモンに変更
当初の黄昏中年ランボーのイメージと、戦車狂い属性を掛け合わせることにする

固有名詞などを加味した結果、こんな感じに↓↓↓


ヴァルモン帝国の片田舎にペンション(B&B)を構える両親の元に生まれ、
軍事施設が近郊にあることから戦車に憧憬を抱きつつも、健やかに成長する
エントリヒにはレオニードという親友とも呼べる幼馴染の少年がおり、
兵隊に憧れを持っていた彼とは、将来は同じ部隊で戦おうと誓いを交わすなど、
幼い頃からお互いに「戦友(とも)」として認め合い、固い友情を結んでいる


近所の引退した老人たちが教師役を務める初等学校に入学した翌年には、
帝都から越してきた、フレデリカという少しだけ年上の少女とも仲良くなり、
彼女に帝都の栄えある軍人と最新鋭戦車についての話を聞かせてもらっては、
レオニードと一緒に夢中で聞き入っては、その勇壮な姿に心を躍らせていた

11才の時には、衰えを知らない戦車への憧れが高まり過ぎた余りに、
レオニードとフレデリカを巻き込んで近郊の軍事施設にある演習場に忍び込み、
戦車を大暴走させてしまうという、悪戯では済まない馬鹿をやらかしたりしたが、
将官の娘であるフレデリカの立場に助けられ、こっぴどい説教だけで不問となった
やがて12才となって無事に初等学校を卒業すると、機甲兵学校への入学が決定し、
同じく帝都の機甲兵学校へ共に進学することとなった親友レオニードと、
親から帝都に呼び戻されることになったフレデリカの二人と一緒に連れ立って、
生まれて初めて親元を離れ、繁栄の極みにある帝都へと上京する

戦車を愛する同志たちと勉学と訓練に励む、忙しくも充実した生活が始まり、
エントリヒは目まぐるしくも足早に過ぎ去っていく毎日に没頭していった
そんなある日のこと、なんとエントリヒはフレデリカから唐突に恋心を告白される
だが、戦車への憧れが臨界点を突破して最早愛に変わりつつあったエントリヒは、
「ごめん、俺にとっては君より戦車の方が魅力的なんだ」と断ってしまう
すると、フレデリカに好意を抱いていたが、エントリヒになら譲っても良いと思い、
男らしく身を引いて、二人を温かく見守っていこうと決意していたレオニードが、
そのあまりに滅茶苦茶な振った理由に、思わず完全に逆ギレしてしまう
訳も分からないままにエントリヒは絶交を宣言され、戸惑うばかりだったという

親友二人を失いながらも「俺にはまだ戦車がある」とめげることもなく、
エントリヒは16才で機甲兵学校を卒業し、そのまま兵士としての道を歩み始める
最初の数年こそ、憧れには無かった血生臭い現実を前にして気分が重くなり、
牧師の元へ通う日々が続いたりもしたが、それにもあっという間に慣れてしまい、
順調に戦功を上げることで、20才を目前にして降魔戦車を与えられるまでとなった
エントリヒは降魔戦車を与えられたことを人生最大の名誉として誇りに思い、
自らの愛機となった降魔戦車を、勲章の一種である『銀星章』の名で呼ぶことにした

そして20才を迎えて成人婚を挙げる年齢となったある日のこと、
なんと6年を経て士官になっていたフレデリカが、エントリヒの前に突然現れた
そして「私と結婚してくれるなら、最新型の戦車に載せてあげる」と誘惑するが、
「ごめん、俺にはもう将来を誓い合った戦車(ひと)がいるんだ」と、
エントリヒは愛機である銀星章をいとおしげに見つめながら、断ってしまうのだった

その後もエントリヒは降魔教団を潰すなど、着実に戦功を上げていき、
何度か危険な目にも遭ったが、大きな怪我も無く、順調に活躍を続けていった
だがある時、所属部隊が全滅してしまう程の敗走を喫することとなってしまい、
どうにか1人生き残ることには成功したものの、銀星章が完全に大破してしまう
復帰後に愛機が再起不能であることを知らされたエントリヒは、
その無念と後悔と悲しみに耐え切れなくなり、なんと軍を強引に自主退役する
そのまま田舎で愛機を弔い、実家で喪に服しながら静かに余生を過ごそうと、
人生の半ばにも達していないのに、強引に隠居を決め込むのだった

かくして帰郷することとなった戦車狂いのエントリヒだが、
戦中に近郊の軍事施設が強襲された煽りを食って、家族は亡くなっているため、
ただでさえ寄る辺は無いし、ペンションの運営にしてもさっぱりである
手に職はないし、おつむもスッカラカンで、仕事を頼れるようなツテも無い
おかげで貯蓄を食いつぶすだけの無残で無様な生活を送ることとなり、
やがては食うに困った挙句、二年越しに戦場に舞い戻らざるを得なくなるのだった

そうして、かつての上官に頼み込んで新たな部隊に配属されることになったが、
悲しみしか残らなかった戦野に再び立つのは、とても辛くて苦しいものであり、
戦車を見るたびに込み上げる銀星章大破のトラウマにも、ひたすら苛まれ続ける
そもそも搭乗していた降魔戦車の影響もあって、元から情緒不安定だったことから、
軽いシェルショック、神経衰弱になりかけており、夜は酒に溺れる毎日を送っている
だが、それでもかつての鍛え抜かれた軍人としての性と癖は未だに染み付いており、
喇叭の音などを引鉄にして、ふと意識が最前線の戦場モードに切り替わり、
突如として鬼軍曹に変貌するなど、その姿はまるで二重人格の域に達している

正常な判断力も少々欠いてしまっており、戦場からの救いを求め過ぎたが故に、
『現在、超能力が各界から注目を浴びています!』
『その存在が科学的に証明され、人工的な超能力者の養成も実現しました』
『戦中の深刻な不況下でも、稀有な才能を持つ超能力者は引く手数多です』
『さぁ! この通信教育であなたも未来の超能力者!』 などという、
とんでもなく怪しい商売文句に、ものの見事に引っかかってしまい、
毎日戦場の片隅で、教材という名のクロスワードパズルを黙々と解き続けている
そのある意味で鬼気迫った姿に周囲は恐れをなし、友人は一人も居ない


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